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『逆問題の考え方』

読書 書評

1月22日(日)読了

『逆問題の考え方』上村豊著

 

逆問題の考え方 結果から原因を探る数学 (ブルーバックス)
 

 

  第1章で「逆問題」とは何かということを述べており,他の章では様々な逆問題を例を挙げて説明している.普段考える問題は解がユニークに定まる問題がほとんどのせいか,「解の鋭敏性」という概念は個人的に面白く感じた.これは,例えば二元連立方程式で定数項がごくわずかに変化した場合に,解がどの程度変化するのかということを言う.単純に考えれば,定数部分のごくわずかな変化は,解にそれほど大きな影響を及ぼさないだろう,ということで似たような解になると考えがち(実際わたしもそう考えた)だが,現実はそうはならない.この,解の鋭敏性を考慮に入れないと,逆問題,すなわち観測値から原因にあたる量を求める際に,解がそもそも求まらなかったり,ひどくぶれのある解になってしまうという事態が頻発する.正直なところ,最終章の量子力学の例などは完全に理解するに至らなかったが,逆問題という考え方,解法,解とはそもそも何なのかなど様々な知見が得られたと思う.